サマーソニック2018で初来日を果たしたチャンスザラッパー。アメリカでは絶大な人気を誇る彼の日本初パフォーマンスを見てきた筆者が、その全てを解説します。
Chance The Rapper(チャンス・ザ・ラッパー)
彼は自身の音楽を現在まで一切販売していません。どこのレーベルとも契約せず、独立して配信という形で自身の楽曲を発信しています。時代に先駆けたアーティストと言えるでしょう。
アルバム「Coloring Book」がヒットし、全米トップ10入りを果たすと、さらにグラミー賞も受賞しています。
グラミー賞の対象は有料で販売されている音楽に対してのみでしたが、彼が巻き起こした旋風はグラミー賞のそういった規定の変更へと繋がり、見事受賞に至りました。
アメリカのフェスではヘッドライナーをも勤め上げる彼の、日本初パフォーマンスについて解説します。
サマソニ18 大阪
パフォーマンスは最高。しかしオーディエンスはガラガラ。
パフォーマンスは非常に満足のいくものでした。
赤いTシャツにチャンピオンの黒いオーバーオール、定番のキャップにスニーカースタイルで登場するやいなや、パワフルにステージ上を走り回っていました。コーラス隊も連れてきており、ハーモニーが心地良かったです。1曲を短くメドレーのように繋げながら、次々に楽曲を披露してくれました。
-
- Mixtape
- Blessings
- Angels
- Sunday Candy (Donnie Trumpet & The Social Experiment)
- Cocoa Butter Kisses
- 65th & Ingleside
- Work Out
- I’m the One (DJ Khaled)
- No Problem
- All Night
- Same Drugs
- Blessings (Reprise)
チャンスザラッパーの直前、ワンオクロックがパフォーマンスをしており、巨大なメインステージの後方まで、オーディエンスでぎっしり埋まっていました。
筆者はチャンスを最前で見るべく、既に前方でワンオクロックのパフォーマンスを楽しんでいました。
そしてワンオクロックのパフォーマンスが終了し、セット転換に差し掛かったその時、驚くほどの人がメインステージエリアから出ていってしまっったのです。
メインステージエリアは最前列もガラガラで、座って待機できるほどでした。
待っている人達も余りの人の少なさに、「チャンスザラッパーがこれを見たらもう日本に来てくれないかも」と口々に話していた程でした。
始まる頃には埋まるだろう、埋まって欲しいという思いとは裏腹に、そのままパフォーマンスは始まりました。
パフォーマンス、MC
パワフルにパフォーマンスする一方でチャンスが度々、「本当に楽しんでる?ノッてるの?」と確認する場面が多々ありました。
人の少なさと、チャンスが求めるコール&レスポンスにオーディエンスが上手く応える事が出来ていなかったからです。筆者もチャンスに対しての申し訳なさ、悔しさを感じました。
セットリストも終盤に差し掛かり、メインステージには綺麗な夕日が現れた頃、チャンスは座り込み、「Same Drugs」を披露しました。
今までチャンスの求めるコール&レスポンスに応える事ができなかったオーディエンスでしたが、この曲は違いました。
チャンスがオーディエンスにマイクを向けた時、一つになり合唱が起きたのです。その瞬間、チャンスは「これなら歌えるのか!」と笑顔のリアクションを見せ跳びはねる様にはしゃいでいました。
最後に
チャンスファンを公言しているアジカンのゴッチもプライベートで見にきており、自身のTwitter、インスタグラムを更新しています。
チャンスとBECKとタコライスとビールで俺の夏が仕上がりました。燃えたー!
— Gotch (@gotch_akg) 2018年8月18日
僕はBECKの曲名をスタジオ名につけるくらいにはBECKのことが大好きだけど、ヘッドライナーのチャンスを観たかったなぁ。外国のフェスだったら、今はその順番だよね、きっと。日本では BECKのほうが人気があるから仕方ないんだけど。みんなチャンスザラッパー聴こうよー。最高だよ。
— Gotch (@gotch_akg) 2018年8月18日
ゴッチファンでもある筆者がゴッチについてまとめた記事はこちら
チャンスの日本初パフォーマンスであるサマソニ18大阪はガラガラであったものの、パフォーマンスは最高でした。
アメリカではチケット即完の彼が、日本ではこの知名度、コール&レスポンスも噛み合わず、少し可愛そうでした。
またの来日を祈り、それまでにしっかり聴き込もうと思います。